始めが大事！

　音楽が生活の一部となっている私ですが、この「始めが大事!」は、今まで何度も痛感した言葉です。

　私は、中学校卒業後、音楽科が設置してある松山の高校に進学しました。４歳からピアノを習っていたため、中学校の頃の私は、ピアノだけは誰にも負けない自信があり、将来はピアニストになるんだと、本気で考えていました。今思えば笑ってしまいますが。

　しかし、高校に進学しすぐ気づきました。みんな、私よりも上手だということを。ピアノの先生からは、レッスンのたびにこっぴどく叱られ、何度も泣きながら寮に帰っていました。要するに、悪い癖だらけで、基本ができていなかったのです。それを直すのは、簡単なことではありませんでした。

　そんな私に、救いの手を差し伸べてくれたのが、Ｔ先生でした。声楽専攻に変えるように声をかけてくれたのです。自信を無くし、心がズタズタになっていた私にとっては、とにかくこの状況から逃げたくて、二つ返事で変えることにしたのです。

　もともと、小さいころから歌は好きでしたが、習ったことなんてまったくなく、Ｔ先生から、発声を一から習いました。不思議なことにすぐ声は出るようになり、卒業演奏会では、取りを務めさせてもらいました。要するに、癖がない声だったのです。

　今私は音楽教室を開き、初めてピアノを習う小さい子たちに、一から教えています。この「始めが大事！」をいつも忘れず、丁寧に教えるようにしています。高校の時に、歌の基本と楽しさを教えてくれたＴ先生を目指し、目をきらきら輝かせながら弾いている、このかわいい子たちをしっかりと育てていきたいと日々感じています。

≪高校卒業前のわかーい私・・・。♪高校の教室で♪≫