ベートーヴェンの想い
オーストリアのウィーンで、フリーの音楽家として生き、35歳の若さでこの世を去った神童モーツァルト。
その頃のベートーヴェンは、生まれた町(ドイツのボン)を離れ、本格的にウィーンで音楽家としての人生を始めようとしていた時だったそうです。
そんなベートーヴェンが、初めて作曲家として注目を浴びるようになったのは、ピアノ・ソナタ第8番≪悲愴≫でした。
この曲は、ピアノ・ソナタ第14番≪月光≫やピアノ・ソナタ第23番≪熱情≫とともに、彼の三大ピアノ・ソナタと呼ばれています。
そんな大ソナタ≪悲愴≫を、今私は必死で勉強しています。
「勉強」というよりも、12月のステージで演奏するために、黙々と練習しています。
ベートーヴェンが残した言葉です。
私は何度も絶望し、
もう少しで自殺するところだった。
だが、彼女が… 芸術が…
引き止めてくれた。
私は、自分に課せられていると思っている
創造を全てやり遂げずに、
この世を去るにはいかないのだ。
耳がどんどん聞こえなくなっていく絶望や悲しみ、苦しみの中で、彼は、どのような想いで曲を書き続けていたのだろうかと思うと、胸が締めつけられるような気持ちになります。少しでも、彼の想いを表現できるように、明日も楽譜と向き合います。